経営の本当の目的
経営における根本的な原則とは何でしょうか?
「経営の目的」=「売上を上げること」
という誤解をしている方が、実は多くいらっしゃいます。
経営の原則を誤解していると、
スタッフ、クライアントに満足してもらいたいと思っても、内心にはずっとお金の恐怖が残り、
ふとした時にスタッフにそれをにおわせる発言をしてしまい、
スタッフから売上主義だと思われてしまったりします。
経営の目的とは
「スタッフが経営者である院長に依存せず、分業して、それぞれが活躍して結果を出せるような
組織をつくりあげる」ことです。
「スタッフは言われたことしかやらず、売上は院長に依存してしまっている」
という医院はまず、なにから変えていく必要があるのでしょうか?
医院経営で初めにするべきこと
初めにするべきこと、それは医院のビジョンを決めること、
つまり、医院が目指す将来の姿を決めることです。
参照:ビジョンとは何か?
組織の存在価値とは何でしょうか?
それは「トップの思いを実現するため」です。
つまり、歯科医院は院長の思いを実現するために存在する組織であるということです。
そしてこの「院長の思い」が「ビジョン」にあたります。
ビジョンと採用・教育
近年、これまで以上に歯科衛生士の採用に苦しむ歯科医院が増えています。
この記事をお読みになっている先生はいかがでしょうか?
実は、ビジョンがしっかりしていて、それを院長が語ることができれば、自然と優秀な若者は集まります。
利己的ではなく、スタッフやクライアントが共感するビジョンを語り、
それに共感して入ってきたスタッフでないと、
定着が難しく、分業を担えるまで成長もしてくれません。
東大、京大を卒業できるのに、仲間と中退し、起業。
そのまま会社を大きくしていく。
良くあるはなしですが、
これは最初に起業を提案した人のビジョンが素晴らしいから、
周りの人間もそれに共感し、優秀な人がつぎつぎと集まって、組織が大きくなっていくのです。
逆に言うと共感されるようなビジョンがなければ、人は集まってきませんし、定着もしません。
たまに、「スタッフ第一」「スタッフ優先」という言葉で
スタッフを採用しようとしている採用広告を見かけます。
そのような広告を掲載する医院では、組織の統率が取れていないところが非常に多いです。
なぜなら、「スタッフ第一」「スタッフ優先」とスタッフが聞くと
スタッフの期待が大きくなりすぎてしまうためです。
スタッフが期待していたものと違うと感じると、その期待は一気に不満へと変わり、
やがてモチベーションを失っていきます。
そして、「スタッフのやる気がなくなるから」、「スタッフに辞められると困るから」という理由で、
院長もスタッフに注意することができず、「やる気のないスタッフがあふれた医院」や
「すぐにスタッフが辞めてしまう医院」になってしまうのです。
ビジョンに共感して入ってきたスタッフはモチベーションをすぐに失ってしまうことも少なく、
ビジョンに沿わない行動に対して注意をされた際にはそれを受け止め、成長につなげてくれます。
そのためビジョンに共感して入ってきたスタッフは優秀な人材へと成長していきやすいのです。