医院の利益が上がらない理由
多くの院長先生からこのような声を耳にします。
「なぜ、うちは利益が残らないのか?」
結論からお伝えしますが、
その理由は、多くの先生がスタッフの採用と定着率の重要性を見落としてしまっているから
です。
この点について、くわしく説明をしましょう。
日本は2008年までは人口も物価も、そして不動産価値も、
「登りエレベーター」のように勝手に上がっていました。
そのため、今までと同じ事をこれからも繰り返せば
歯科医院の利益も、自動的に上がっていたのです。
しかし、2008年以後、日本は大きく変化をしました。
特にここ10年間の変化は、想像もできないほどです。
「登りエレベーター」は完全に止まり、人口、物価、不動産価値の全てが
勝手に上がらなくなってしまったのです。
ですから、いろいろな企業が、あの手この手でマーケティングをしています。
広告・チラシ・PRなど、お客さんを増やすための努力です。
ところが、歯科医院経営の場合、この定石は通じないのです。
なぜなら、「お客様が少ない」のではなく、「人が足りていない」のが理由だからです。
歯科医院の利益低迷の原因
ここで歯科医院の利益低迷の原因をまとめてみましょう。
下の箇条書きにした項目をご覧ください。
▼利益低迷の要因▼
1.スタッフ不足により、新規を受ける事ができない
2.スタッフ不足により、急患を受け付けられない
3.スタッフが少ないため、営業時間が限定されている
4.スタッフが少なく、質も低下してしまい、生産性が下がっている
(1人のクライアントに対する診療時間が長い等)
5.客数を増やせる訪問に人員を回せない
こうして見て頂くと、一目瞭然だと思います。
すべて、「人が足りていない」から、利益がでにくいのです。
ですから、今の歯科医院経営で必要なのは、何よりも「人の確保」なのです。
つまり、
スタッフの「採用」と「定着」に意識を向ける必要があります。
なぜ歯科医院には人が採用・定着しにくいのか
では、なぜ歯科医院には人が採用・定着しにくいのでしょうか。
それは、若者の価値観の変化に関係します。
彼らは肉体労働や補助系作業が「割に合わないもの」と考えます。
今はどの業界でも人が不足していますから、学歴や技能経験がなくても、
ある程度、「割りの良い」仕事を見つけ出すことができるのです。
わざわざ、厳しい世界へ行こうという若者は、ほとんどいません。
ですから今こそ、歯科医院は、「周りの歯科医院」ではなく、
「周りの企業と比較しても働きたい」と思えるような、
魅力的な環境づくりをしなければならない、ということになります。
歯科医院は、「スタッフの質=商品力」になる
歯科医院のスタッフの質は、そのまま「商品力」となります。
例えば、
医療機器は普通のレベルでも、笑顔で愛嬌のあるスタッフがいる医院と、
高価で最新鋭な医療機器が導入されているけれど、無愛想で顔が死んでしまっているスタッフがいる医院。
先生ならどちらで受診したいと考えますか。
前者の医院に行きたいと思う方が多いと思います。
それほどまでに歯科医院において「人」は重要なのです。
スタッフの数と質をどこまで取り入れられるか。
採用と定着率をどこまで高められるか。
それらの点に、経営者がどれだけ時間とお金を投下できるか。
ここに、今の時代に歯科医院が売上利益を増やす成功法則が隠されています。