成長戦略

自費に対するセルフイメージを変える

自費診療というパラダイムシフト

医療はもともと収益を追求するものではなく、「できるだけ保険で安く診て差し上げ、患者さんから赤ひげ先生のように思ってもらえれば幸せ」というイメージを持って歯科医師になられた方も多いと思います。

ホワイトエッセンスに加盟しているある院長が、以前に思っていたことです。

「できるだけ沢山の患者さんを診てあげたい。それでお礼は大根でももらえれば十分。自費については、そんなのこの地域で出るわけがないし、勧めたら患者さんがかわいそう。保険の患者さんが待合室で沢山待たされているのに、自費を勧めている暇などない!」

そんな彼が、保険は繁盛すればするほど、スタッフに体力的な負荷がかかりすぎるという想い、もっと良い治療を提供したいという想い、将来の経営対策をしていかねばという想い等が次第に膨らみ、ホワイトエッセンスに加盟したことを契機として、自費率UPを志すようになりました。やがて自費がどんどん出るようになったところ、彼の中では天動説と地動説が逆転したようなパラダイムシフトが起きました。「保険とは比べ物にならないくらいに、患者さんが褒め言葉を直接口に出して言ってくれる・・・・・・」

あなたが自費を上げたいと思っていても、一緒に働いているスタッフが消極的かもしれません。あなたがどれだけ自費のほうが保険よりも患者さんが大きく喜んでくださる割合が高いということを声高に伝えても、スタッフ自身が何度も自費治療を行い、患者さんから喜んでいただいた経験が無いと自費の良さを確信できないでしょう。

そこで私は別の観点から自費の正義性を伝えたいと思います。自費をUPしていくには、院長がまずは自費に対する罪悪感を無くし、その次にスタッフの罪悪感を取っていくことが大切です。そのポイントは2つあります。

  1. 思い込みをしないこと
  2. 社会貢献という視点を持つこと

「思い込みはしない」というのは、人は思い込みをする癖があり、自分が感じていることを他人も感じるに違いないと信じようとしてしまいます。確かにできるだけ保険で行うのが良心的と考えている患者さんは多いでしょう。
私も昔はそう思っていました。しかし平均的な国民よりも歯科知識を持つようになった今は保険で歯科医院にかかることが恐怖です。あなたが歯科治療を受ける立場になった時に、果たして保険でやってほしいですか?「YES」と答えるDrは少ないはずです。自分がして欲しくないことをクライアントに勧めるのは矛盾しています。

知人の妻が歯科治療で歯科医院に通い、被せモノをする段階になって、自費の白い歯の説明がほとんどなく、保険の銀歯を入れられたことがショックだったと言っています。彼女はパートタイマーで自費を支払うのに十分な所得があるとはいえなかったかもしれませんが、彼女の美意識では白い歯を手に入れることに価値を持っていたため、貯金を降ろしてもそうしたかったのだと言います。

料金が安ければ、その分顧客側の不満が起きにくいことも真実です。しかし自分が消費者となり、レストランで、宿泊施設で、ショッピングで、支出した時に安い買い物と高い買い物のどちらに感動の記憶があるでしょうか。圧倒的に高い買い物をしたときのはずです。

私が生まれて初めて自費治療を受けた時に、驚いたのは補綴材料の違いではなく、「こんなに丁寧にしてもらえるのか?」という点です。いつものDrが別人のように懇切丁寧で優しい人に見えました。ですから補綴物がセットされる日がワクワクして待ち遠しくてたまりませんでした。自費を嫌がる患者さんがいるとしたら、多くの場合歯科知識が不足していて、医院側がそれを十分に説明できていないのです。

社会貢献という視点

もう1点、自費の正義性として、社会貢献という視点を持つことが大切です。
顧客(患者様)や会社(医院)の利益ばかりでなく、社会全体の利益にも貢献していくべきという考え方です。保険診療は患者さんの支払い負担額を減らしますから、患者さんの生活を圧迫しないという点で確かに良い制度だと思います。しかし、その分の負担やしわ寄せが、医療費増大による国の借金増となります。その借金の肩代わりをしているのは税金を支払っている国民です。保険の支払いで3000円でも高いと感じる患者さんもいらっしゃるでしょうが、その患者様が歯科医院から自宅に帰る途中で、夕食の食材に5000円を遣ったり、1万円くらいの靴を買い物していくというのはありふれた光景です。

近江商人の教えに「売り手よし、買い手よし、世間よし」というのがあります。
世間よしというのは、目の前のお客様(患者様)だけでなく、社会に対しても貢献することを意味します。
ですから一定以上の所得がある患者様にも、保険を推奨していくということは、必ずしも正義とはいえません。

その点で自費は国の税金に依存しませんから、社会に優しい行為といえるのではないでしょうか。

著者プロフィール

ホワイトエッセンス株式会社
代表取締役 坂本 佳昭

日本最大の審美歯科チェーン「ホワイトエッセンス」の創業者。最新刊「院長依存から脱却できる医院組織のつくり方」を始めとし、執筆、取材、講演実績多数。

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