成長戦略

デンタルエステで予防歯科に貢献する

今からでも遅くない予防歯科

予防歯科を成功させようと思えば、ミュータンス菌(虫歯菌の種類)の感染を避けるために幼児期や妊娠中からの関わりが大切なのは周知の事実です。歯周病予防に関しては1990年末にレッドコンプレックスと呼ばれる「P・ジンジバリス」は18歳以降に感染し、「口腔スピロヘーター」、「T・フォーサイシア」等は小中高生の時期に感染することが判明したため、やはり小児の時期から始め、大人になっても予防歯科を提供していくことが大切になります。2000年ごろ、私はホワイトエッセンスを立ち上げる際に予防歯科をメインとした医院にしていきたいと考えていましたが、顧客の対象は小児ではなく、女性の社会進出が促進される中で、働く女性が笑顔になれる医院をつくろう! と決めていました。 大人になってから予防歯科を施しても、既に虫歯菌や歯周病菌に感染しているため、理想的な成果は上がりません。しかし楽しく定期的に歯科医院に通える習慣をつくれば、大人であっても虫歯や歯周病の進行を少しでも食い止めることが出来、予防に寄与できると考えたのです。つまり「今からでも遅くはない予防歯科!」です。

そこで最初のホワイトエッセンスがオープンして暫くは臨床検査会社と提携して、予防プログラムの開発を進めました。虫歯や歯周病検査のプログラムもいくつか導入して実践しました。ところが検査に対する顧客満足度やニーズが高くないのです。歯科疾患を抱えている患者さんであれば「もう痛い思いはしたくない」という心理があり、検査に協力的かもしれません。しかし健康者(病気を自覚されていない方も含む)に検査の必要性を訴求しても、忙しい現代人において、特に自費で支払う経済余力のある社会人にとって、検査に時間を取られることにあまり良い反応を示さない方が多数派でした。また「検査結果によって判明した健康上の問題を聞かされるのが嫌で歯医者嫌いになった……」というご意見も多数頂きました。

科学に基づいた厳密な予防検査や徹底的な細菌コントロールは、予防歯科の成功率を高めます。医療として目指すべき理想の姿だと思います。でも、私は「大多数の生活者のニーズは果たしてそこにあるのだろうか?」と考え始めました。通うことがひたすら楽しい、気持ち良いという印象をクライアントに提供できれば、例え完璧な検査や処置でなくても、クライアント側のホームケアの量と質に問題があったとしても、頻度高く通っていただけることの方が、結果的に歯科疾患リスクを減らし、予防効果を高めていくことが出来ます

 

美容院と理容院の差

 

医療としての生真面目な考えを押し付けることで、生活者が歯医者嫌いになるのであれば本末転倒です。
美容院という業態は私たちに大切なことを伝えてくれる存在です。現代の中高年の女性の髪の毛は数十年前の女性よりも美しく健康的です。これは結果的に美容院という業態が髪の美容だけでなく健康効果を果たしていることになるのではないでしょうか。

一方で床屋さん、つまり理容業ですが、美容院の半分以下の売上しかなく、店舗の数もどんどん減り、理容師の資格取得希望者も激減しています。 理容業の衰退と美容業の隆盛を分けたポイントは何かといえば、理容業は技術の高さだけに注目していたのに対し、美容業はパーマ屋と呼ばれていた時代から、環境変化に適応するために、感じの良い接遇、素敵な空間、そして資格者側ではなく顧客が良いと判断する技術の研鑽に励んだ結果だといわれています。

予防歯科のエンターテイメント化

 

私はデンタルエステを活用することで日本国内の予防歯科に大きく貢献出来ると思っています。キーワードは「楽しいかどうか?」です。 あなたは青春時代から青年期にかけて、社会に出てからも、楽しさを犠牲にして、歯を食いしばり、学問に経営に必死に頑張ってこられた方かもしれません。 しかし人は出来る人ではなく、楽しい人に惹かれます。楽しい組織に人は集まります。
宮崎駿監督の作品は老若男女を惹きつけますが、彼の作品の多くは女性の自立を背景に環境破壊や高齢化という難しいテーマを扱っている社会性の高い映画です。最初から「環境保護」とか、「老化の恐怖を克服」などのテーマを前面に押し出しすぎていたら、これほどの観客動員数は期待できなかったでしょう。彼の作品はいずれも時を忘れる位にその世界に入り込んで楽しめる第一級のエンターテイメント作品です。一方で作品の根底には社会貢献性が高く深いテーマがあるからこそ、世界中の視聴者を感動させることができます。

予防歯科という素晴らしい理念を世の中に浸透していくための一つの方法として、美容的なイメージで、もっと歯科医院への間口を広く取り、楽しく通い続けた結果、虫歯や歯周病の進行を抑制していくというアプローチもあると思います。デンタルエステを求める顧客は、ホワイトニングで歯の白さに満足すると、歯の健康への関心度が高まり、歯周病や虫歯の予防効果が期待できる歯のクリーニングで通うようになります。

すなわちデンタルエステは刹那的な美容だけを目的としているのではなく予防のエンターテイメント化を果たしていくためのツールです。 デンタルエステに楽しく通うことで、やがて年を重ねて、同窓会に出席した時に、元クラスメイトから羨ましがられるくらいに口元が若々しく、健康で、笑顔に溢れている。そんな人々を社会に沢山創造していくこと。それこそがデンタルエステの社会貢献です。

著者プロフィール

ホワイトエッセンス株式会社
代表取締役 坂本 佳昭

日本最大の審美歯科チェーン「ホワイトエッセンス」の創業者。最新刊「院長依存から脱却できる医院組織のつくり方」を始めとし、執筆、取材、講演実績多数。

  • 歯科経営ノウハウセミナー
  • 書籍で学ぶ歯科経営
    • 院長依存から脱却できる医院組織のつくり方セミナー

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