ホワイトニングで最初に知っておくべき4つの基礎知識-前半- - 歯科医院経営講座~次のステップを目指す歯科医師のための~

ホワイトニングで最初に知っておくべき4つの基礎知識-前半-

患者さんから「ホワイトニングをしたい」と
言われることが多くなったなあ、

このあたりでもホワイトニングへの関心が
高まってきたのかも、と
感じることはないでしょうか?

そんなとき、ホワイトニングの知識がないと
患者さんに自信をもって説明できないですよね。

ホワイトニングに関しては大学で詳しく学ぶ機会
がほとんどないため、知識がないのは当然です。

しかし、ホワイトニングの知識がないと
適切なカウンセリングができず、

クライアントが一度のホワイトニングで
終わってしまったり、

最悪の場合は「白くならなかった!」などの
トラブルになったりしてしまいます。

できればトラブルにならずに、クライアントに
喜んでもらえるホワイトニングをしたいですよね。

ここでは、ホワイトニングで必要な
4つの基礎知識を前半と後半に分けて紹介します。

1. まず、ホワイトニングの特徴を理解しましょう

まず初めに、ホワイトニングで必要な4つの
知識のうちの1つ、「ホワイトニングの特徴」
についてご紹介します。

この項目は、歯科医師自身が知識として
身につけるだけでなく、

トラブルにならないためにも、
カウンセリングで
クライアントに
必ず伝えるべきもの
です。

ただ自分自身で理解するだけでなく、
クライアントに説明することを
念頭に置きながら読んでみてください。

1.1. 漂白効果には個人差がある

漂白効果や白くなるまでにかかる期間は、
現在の歯の色や歯の質、生活習慣など
条件によって個人差があります。

例えば、術前の歯の色が同じA3の色で
オフィスホワイトニングを同条件で1回行っても、
シェードが5段階アップする(明度が上がる)方
もいれば、1段階しかアップしない方もいます。

テトラサイクリン歯や失活歯など
白くなりにくい歯は
確実に診断しなければなりませんが、
白くなりにくい条件がなくても、
実際にホワイトニングを行ってみると
白くなりにくい場合も多々あります。

実は、臨床経験を積むと、エナメル質の厚みや
質感などで白くなりにくい歯も感覚的に
分かってきますが、症例数が少ないうちは
その判断は難しいので、

個人差があることを理解し、
カウンセリング時にも
必ずクライアントに伝えましょう。

▼ VITAクラシカルシェードガイドを明度順にならべたもの

シェードガイド

 

1.2. 白さの感じ方は主観であり、明らかに白さを実感できるようになるのは"A1以上"

ホワイトニング治療開始時によくあり困るのが、
白くなったと実感できないケースです。

特に、オフィスホワイトニングを初めて行った後、
クライアントが鏡で自分の歯を見て
「思ったより白くならなかった」と
不満そうになり、気まずい雰囲気になるのは、
ホワイトニングあるあるではないでしょうか。

時にはトラブルになったり、
術者さえ「白くならない」と感じて
ホワイトニングを諦めてしまったりという話も
よく耳にします。

それは、「白くなった」と感じるのは
主観によるところが大きく
A1より白くならないと明らかに白さを
実感できないからです(下図)。

まず、これを術者自身が理解して
クライアントにも正しい知識を与えることが、
白くならなかったという
トラブルにならないためにも重要です。

シェードガイド

「リピート化するホワイトニング・クリーニング ホワイトエッセンスが実践する技術&ノウハウ」より改変

1.3. ホワイトニング後は知覚過敏が生じる可能性がある

ホワイトニング時に生じる症状には
知覚過敏があり、その発生率は約1/3(注1)とも
約66%という報告もあります。(注2)

このように、ホワイトニング後には
軽度の知覚過敏や違和感を含めると
何かしらの症状がでることは珍しいことでは
ありません。

ホワイトニングよる痛みは知覚過敏ですから、
通常は一過性であり
数時間から1~2日で消失します。

クライアントはホワイトニング後に痛みが生じると
「ずっと痛いままなのか」
「ホワイトニングは歯に悪いのか」
と不安になってしまいますので、

痛みは知覚過敏であること、痛みが生じても
数日で消失することを事前のカウンセリングで
説明しておきます。


注1)大森かをる,常盤珠美,秋本尚武,英 將生,宮内貴弘,桃井保子.リン酸カルシウム系知覚過敏抑制材の漂白効果に及ぼす影響.日本歯科 保存学雑誌 2013;56(2):130-137.

注2) 宮崎真至,高見澤俊樹.Q3 ホワイトニング中の患者さんに「しみる」と言われたら? 歯界展望 2011;118(3):422-426.

1.4. ホワイトニングは複数回繰り返して行う治療である

クライアントは「一度で歯が白くなる」ことを
期待して来院します。

また、術者も
「歯を白くしてあげたい」という思いから、
一度で白くなるホワイトニングを求めがち
ではないでしょうか。

実は、一度のホワイトニングで
歯を白くする方法は、化学的なメカニズムを
知ると容易に分かるようになります。

しかし、ホワイトイングにおいて漂白効果と
痛みはトレードオフの関係にあるため、
一度で白くしようとすると
痛みが生じやすくなります。

痛みが生じるとホワイトニングの継続は難しく、
クライアントは通院をやめてしまい、結果として
希望の白さまで白くなりません。

ホワイトニングで結果を出すためには、
歯の負担が大きくならない範囲で複数回
繰り返して行うことが一番の近道なのです。

こちらもカウンセリング時に、
「一度で白くなるホワイトニングは歯への負担が
大きくいため、複数回繰り返して白くすること」
をクライアントに伝えて、
「一度で白くなる」という思い込みを
払拭することが重要です。

1.5.(色の)後戻りがあり、メンテナンスが必要である

ホワイトニングで白くなった歯は、
放置すれば必ず後戻りします。
そのため、ホワイトニング後は
白さが定着するまでメンテナンスが
必要になります。

クライアントは、歯が白くなったら白いままで
ホワイトニングは続けなくてもいいと
勘違いしていることも多いため、
メンテナンスの必要性も事前に説明しておきます。

おわりに

今回は「ホワイトニングで最初に知っておくべき
4つの基礎知識」の前半として
ホワイトニングの特徴について紹介しました。

後半は残りの3つのポイントについてお伝えします。

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