5つをチェック!オフィスホワイトニング材の選び方 - 歯科医院経営講座~次のステップを目指す歯科医師のための~

5つをチェック!オフィスホワイトニング材の選び方

ホワイトニングを導入しようと思っても、
いろいろあってどのホワイトニング材が
いいのか悩みますよね。

特に、オフィスホワイトニング材は、
現在国内で認可が下りているもので
5製品ありますが、

術式やメーカーのうたい文句は様々なので、
選びにくいことと思います。

しかし、実は、
ホワイトニング材の化学的特性をチェックすれば、
どのくらいの漂白効果が期待できるかが
わかるんです。


今回は、気になる漂白効果に加えて、
オフィスホワイトニング材を選ぶ際に
優先度が高いチェック項目を5つお伝えします。

今回お伝えする内容を知っておけば、
この先新しいホワイトニング材が出てきても、
どこをチェックすればよいかがわかり、

自分の求めるホワイトニング材を
選べるようになります。

1. 最終薬液の過酸化水素濃度が約20%であること

まずは、過酸化水素濃度をチェックしましょう。

ホワイトニング材の漂白効果を
最も左右するのは
有効成分である
過酸化水素濃度だからです。

このとき問題となるのは、
歯に塗布する状態の
ホワイトニング材の過酸化水素濃度ですから、

必ず2剤混合後の最終薬液の
過酸化水素濃度をチェック
してください。

そして、オフィスホワイトニング材の
過酸化水素濃度は20%前後のもの
選びましょう。

10%以下であると痛みは出ませんが
20%前後のものと比較して
漂白効果があまり期待できません。

一方で、30%以上になると
歯に激しい痛みが生じやすくなりますので、

過酸化水素濃度は
約20%のものが最適です。

間違いやすいのが、
オパールエッセンスBOOSTは
パッケージに35%と表記されていますが、

これはあくまで
2剤混合前の過酸化水素濃度であり、

最終薬液の過酸化水素濃度は、
ホワイトエッセンスホワイトニング プロ、
ティオンオフィス、松風ハイライトと
ほぼ同等の約24%です。

2. 弱アルカリ性pHであること

次はホワイトニング材の最終薬液のpH
チェックします。

ホワイトニング材のpHは
弱アルカリ性pHのものを選びましょう。

ホワイトニング材はpH7.0を超えて
アルカリ性になると、漂白効果が上がるからです。

しかし、強アルカリになると
組織に為害作用があるので
pH10以上のものは使用しません。

また、エナメル質の脱灰は
pH5.5以下で起こるため、
酸性pHのホワイトニング材を
第一選択とするのはお勧めできません。

3. 漂白効果を上げる添加物

漂白効果は過酸化水素濃度に最も依存し、
さらにアルカリ性pHの方が漂白効果が大きくなる

というのが基本の考え方です。

その上で、
漂白効果を上げるとされる添加物の効果は、
プラスαと考えます。

まず、光触媒についてです。

日本では10年ほど前にもてはやされた光触媒を
応用したホワイトニング材ですが、

様々な実験を経て、
歯のホワイトニングにおいて
光触媒が明らかに有効なのは、

ピレーネに過酸化水素濃度が
3%程度のときに添加したときであり、

約20%の過酸化水素濃度では
濃度上昇による漂白効果に比べて
光触媒の効果は小さく、
有意差として現われにくくなる
ことが分かりました。

事実、海外では光触媒入りのものは
主流にはなりませんでした。

また、近年に発売された
オフィスホワイトニング材に
焦点を当ててみると、

2017年以降に認可がおりた
オパールエッセンスBOOSTや
ホワイトエッセンスホワイトニング プロには

光触媒は入っていませんが、
その効果と安全性を
認められ
厚労省の認可がおりています。

次に、オパールエッセンスBOOSTと
ホワイトエッセンスホワイトニング プロの
漂白原理を見てみましょう。

オパールエッセンスBOOSTの漂白原理は
添付文書によると
「過酸化水素+pH調整剤+光照射」です。

前述の通り、漂白効果を上げるために
ホワイトニング材をアルカリ性にする目的で
添加されているのがpH調整剤です。

オパールエッセンスBOOSTは
この漂白原理を用いていますが、

実は、ピレーネ、ティオンオフィス、
ホワイトエッセンスホワイトニング プロにも
pH調整剤は添加されているので、
特別目新しい漂白原理ではありません。

一方、最新の国内認可
オフィスホワイトニング材
である
ホワイトエッセンスホワイトニング プロの
漂白原理は「過酸化水素+炭酸塩+光照射」です。

ホワイトエッセンスホワイトニング プロに
炭酸塩として添加されているのは
炭酸水素ナトリウムです。

炭酸水素ナトリウムをはじめとする
炭酸塩(炭酸水素塩も含む)がすごいのは、

  • pH調整剤としてホワイトニング材をアルカリ性にする役割を果たすこと

だけでなく

  • 他のpH調整剤よりも明らかな漂白効果を示すから

です。

ちなみに、ホワイトエッセンスでは
この漂白原理で特許を取得しており、
まさに新規ホワイトニング材と言えるでしょう。

オパールエッセンスBOOSTと
ホワイトエッセンスホワイトニング プロを用いて、
操作条件を同じにして漂白効果を
比較した実験結果をご紹介します。

【実験:ホワイトニング用多歯照射器を使用したときの漂白効果】
ホワイトニング用多歯照射器を使用したときの漂白効果

図にある通り、

ホワイトニング用多歯照射器を使用した場合は、
ホワイトエッセンスホワイトニング プロの
漂白効果が大きいということがわかりました。

その他、各種添加物の漂白効果については
今回お伝えしなかったものも含めて

「リピート化するホワイトニング・クリーニング」

でデータを交えて詳解しています。

4. 術式が簡単であること

オフィスホワイトニング材を選ぶ際に、
1~3でお伝えした化学的特性と
同じくらい大事なのが術式です。

術式が簡単なほうが
チェアタイムが
短くてすみますので、

漂白効果が同程度であれば
使用法が簡単なホワイトニング材を
選びたいものです。

チェック項目1つ目は、
使用する照射器です。

もちろん、これはホワイトニング用多歯照射器
使用するのがよいでしょう。

レジン重合用照射器で1歯ずつ照射するのは
時間がかかりクライアントにも負担がかかります。

それならば、どのホワイトニング材にも
ホワイトニング用多歯照射器を
使用したいところですが、

添付文書には使用する照射器の指定が
必ずあります。

厚労省が効果と安全性を認めたのは、
添付文書に書かれている照射器を
使用した場合に限りますので、

必ず添付文書の使用法どおりの
照射器を使用してください。

そうでないと十分な漂白効果が
得られない可能性があります。

2つ目は、
放置時間が必要かどうかをチェックしましょう。

歯に塗布して光照射をするだけでなく、
一定の放置時間が必要な
ホワイトニング材もあります。

放置時間が〇分と考えるのは面倒なだけでなく、
操作ミスにもつながりますので、
薬剤放置時間はないものが好ましいです。

5. 1箱10回分以上入っているか

意外に気を付けた方がよいのが、
1箱に何回分入っているかです。

ホワイトニング材は冷蔵しないと
過酸化水素の
分解が進んで
漂白効果が小さくなる
ため、

どのメーカーのものも
冷蔵保管が指定されています。

シリコン印象材やらスーパーボンドや
ペリオクリンなどでいっぱいの冷蔵庫。

1箱1回分のホワイトニング材だと
10回分を入れるとかなりのスペースを
とってしまいます。

冷蔵庫で場所をとらないように、
1箱に10回分以上入っているものを選ぶ
後々後悔しません。

6. まとめ―国内認可オフィスホワイトニング材の特徴―

今回は、オフィスホワイトニング材の選び方を
お伝えしましたがいかがでしたか?

自分が求めるオフィスホワイトニング材が
選べるようになったのではないでしょうか?

最後にこれまでお伝えした内容を踏まえて、
国内認可オフィスホワイトニング材の
特徴をまとめました。

ぜひホワイトニング材選びの参考になさってください。

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